ツイッターに書ききれないことを書くところ

ツイッターに書ききれないことを書きます

震災と、コンタクトレンズの注文と、想像力の限界について

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こちらは、まだ3月11日だ。

僕が何か書いたところで、それが多くの人の目に触れるほど、このブログに影響力はない。それに、お金になることでもない。でも、たまに小難しいことを書いて、フェイスブックでセルフシェアなんかして、たとえば意外な人からの「いいね!」に喜んでいる僕としては、ほんとうに身もふたもない言い方をすると、震災というものを自己顕示欲のねたに使っているみたいで。自分でこんな風に書いているとますます自分がそう思えて、それに言い訳を探しているようで、嫌になる。とりあえずセルフシェアはしないでおこうと思うけれども。

それでも書くのは、考えたこと、伝えたいことがあるからで、そんなことに関しては記録に残しておきたい、大切な人に伝えたい、という気持ちが上回るからだ。

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トランプ現象におけるフェイクニュースと、イタリア語での悪口と、我ながら的を得た意見について

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先日、BBCかどこかのウェブメディアでフェイクニュースの特集をやっていた。せっかくの機会なのでフェイクニュースについて色々と読んでみた。

今、僕たちは「post-truth」の時代に生きていると言われている。情報の正確さよりも、いかに読み手の読みたいものを、見る者の見たいものを、強烈な印象とともに届けるか。メディアというものがそういう方向に流れつつあったのを派手に再確認させられることになったのが、2016年のアメリカ大統領選だった、と。

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行列のできるパステル・デ・ナタの店と、テスト範囲の文学史と、世界の半分くらいある南極大陸について

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そういえば、観光地を回ろう、と思ったことがあまりない。

国内のいくつかの有名な観光地には行った。アルファマ、ベレンの塔、発見のモニュメントなど。しかし、アルファマに関しては自分からふらりと立ち寄ったものの、ほかの場所に関しては行きたいという友達についていっただけだ。

しかも、そこが有名な観光地であったことは後で知ることが多いときている。

小さい焼菓子ひとつを買うのにもものすごく並んで、ああ、これは多分有名な店なのだろうなと思って調べてみると案の定だった。なんかすごそうな建造物だなと、海を睨みつける彫像の顔を眺めていたらそれが発見のモニュメントだった。その中に入れることすら知らなかった。

そんな旅行の仕方に、思い出すことがある。

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死と、永遠の生と、カート・コバーンについて

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「何かを残したい」という気持ちは、ある意味で不死というものへのあこがれと背中合わせなのだろうか。

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パーティーでなくなったiPhone7と、画面に現れた「容疑者」の意味について

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数日前の話になる。


僕たちのフラットで、退去するイタリア人のお別れパーティーがあった。フラットメイトであった僕と、ブラジル人の男性二人、ペルー人の女性一人も参加していた。友達の友達が呼ばれ、参加者は30人を超えていたと思う。ホームパーティーが終わり、僕と退去する彼、そして数人のイタリア人がそのままの流れでクラブに行くことになった。ほか三人のフラットメイトは残った。リスボン中心部へ出ていくために通りを歩いてタクシーを捕まえようというときに、電話が鳴った。

「フラットメイトのブラジル人のうち、片方の携帯がなくなった」、という話だった。

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語学と、ウィトゲンシュタインと、小さな食堂で食べる夕方5時のランチについて

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前回の文章を、日本語を勉強している人が見てくれているとは思っていなかった。巧さという面でもそうだが、内容に対して分量が長すぎたことはとてもよくなかった。文章と話の長さは必要最小限にしなければ、と思いながらどうしても長々となってしまうものだが。

そういうこともあり、折角なので今回は語学について書こうと思う。僕は今、ポルトガル語を勉強している。

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葛飾北斎と、量子論と、アイリッシュパブについて

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ポルトガルに到着して一週間がたち、授業も大体要領がわかってちょっと気を抜くようになってきた。マネジメント基礎の講義はかなりゆったりとしたリズムで流れることもあり、クラスの様子をぼんやり眺めていると、隣の学生が落書きをしていた。それは、なんと葛飾北斎の浮世絵の模写だった。

有名な、富嶽三十六景の波の絵である。単に日本の絵が好きなのだという。うまく事が進めば、5月に日本をテーマにしたイベントやるからおいでよ、と彼は言った。あのゴッホをはじめとして、浮世絵が海外でも知られているということは少し知っていたが、まさか隣のポルトガル人の落書きにそれを見るとは。

しかし、その高い波の絵は僕に別のことを思い起こさせた。

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